特定行為オーダリングシステム試験導入
徳洲会グループは「医師の働き方改革」でのタスクシフト/シェア推進の一環として、「特定行為オーダリングシステム」を開発した。これは特定看護師が特定行為を実施するにあたり、医師による指示出しや特定看護師による指示受け、実施した特定行為の記録と指示をした医師による評価などを電子カルテ上で行うシステム。2月から札幌徳洲会病院、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、八尾徳洲会総合病院(大阪府)、南部徳洲会病院(沖縄県)で試験運用し、4月から全国の徳洲会病院で本格運用する計画だ。
医師による“包括的指示”で 医行為ができる特定看護師
落合顧問は「病院によって、タスクシフト/シェアに関して認識の差がある」と指摘したうえで、「まずは特定看護師について理解することが、医行為の理解につながります」と強調。
医行為には絶対的医行為、一般的医行為がある。絶対的医行為は医学的判断が必要とされ、医師のみが行えるもの、一般的医行為は医学的判断が不要で、医師の具体的指示の下で行えるもの、そして特定行為は、絶対的医行為のなかで、医師による包括的指示の下、手順書に基づいて行える医行為を言う(図2)。
包括的指示とは、ある特定の状況・病態で、事前に取り決めたプロトコール(手順書)を用いて、資格のある看護師(特定看護師)に出す指示を言い、具体的指示とは、医学的判断を必要とせず、医師の言われたとおりに行う医行為のための指示で、すべての職種に適用される。
たとえば、包括的指示は「脱水の兆候があれば輸液で補正してください」、「人工呼吸器の離脱を進めてください」など、具体的指示は「生理食塩水200mlを15分で点滴してください」、「6時間ごとに血圧と体温を測定してください」などを言う。
落合顧問は「特定看護師に対し、具体的指示しか出していない病院もあり、特定看護師の能力を有効活用しきれていない状況にあります。タスクシフト/シェアをより推進するためには、特定看護師を含めた各職種の業務拡大の範囲を、病院側が認識する必要があります」と強調したうえで、「新規の教育体制、資格の院内認定については、早急に整備しなくてはなりません」と課題を示す。
→徳洲新聞1377号掲載