- キャリアアップ研修
スペシャリストコース 2019年度
手術認定看護師


米国の看護研究者であるヴァージニア・ヘンダーソンは、看護の質は人間の質に依存すると言っています。人材育成を行う時にはそのことを意識しながら指導していきたい。
稲葉 太樹 副主任(湘南鎌倉総合病院)
認定バッヂ

ホスピタリティ

ホスピタリティは患者さんに受け入れられるための土台になるため、看護師が生き生きと仕事をするのに必要なことです。身についていたほうが仕事の幅も広がり院内でも堂々と活動できるようになります。
加藤 文子 副看護部長(湘南藤沢徳洲会病院)
認定バッヂ

訪問看護
在宅看取り「心がひとつになった時」
A氏は、肺癌で最期のときが迫っている状況の47歳の男性。4歳の娘、妻、母の4人暮らしである。妻が「長くない命なら住み慣れた我が家でAらしく一緒に暮らしたい」と訪問看護の相談に来た。妻の覚悟が伝わり、全力で在宅療養を支えることを約束した。
退院数日後の夜半、「呼吸が苦しそう、何とかして。病院なら酸素が増やせるのに」と。妻からのSOSの電話からは苦しそうな呼吸音が聞こえてきた。この人はまだまだ亡くなる人ではない、何とかしなくてはと思い医師と相談。2台目の酸素濃縮器をつなげ酸素を10L/分に上げることになった。20㎏もの機器を一人で運ぶのは腕がちぎれそうであったが、安楽な呼吸に戻った途端、腕の痛さも吹き飛んだ。
1ヵ月が過ぎ「呼吸が苦しそう、早く来て」のSOS。親族が大勢集まる中、補助呼吸の方法を家族に伝え、皆でやることになった。「看護師さん、私たちがAの呼吸を楽にするから、私とAの頑張りを見ていてよ」と。私は部屋の隅で見守った。妻は娘を背中に背負い、A氏の胸に手をあて呼吸を整える。「A頑張ったね」と言いながら頬や額に口づけをする。替わるがわる兄弟や母が「頑張ったね」と言いながら補助呼吸をする。何と心温まる光景か。
やがて、医師が控えめに部屋に入り静かに死亡確認。「○時○分ご臨終です。Aさんお疲れ様でした。家族の皆さんありがとうございました」医師が家族に向かい頭を下げた。私は謙虚で優しい医師の言葉に驚き、抑えていた涙がどっとあふれ止まらなくなった。
「ありがとう」という言葉は、家族が医師に言う言葉と勝手に決めつけていた。しかし、医師は「家族がA氏を在宅で見守ってくれてありがとう」なのである。
衣装はAの好みであったジーパンとシャツは、4歳の娘が「パパの色はこれ」と赤に決まった。妻は「童顔を気にしていたから髭はこのまま残します」と。顔のマッサージが進み、「パパが笑っている」という娘の言葉に泣いたり笑ったりの中、エンゼルケアは終了した。
大井 陽江 副看護部長(わかば訪問看護ステーション)
手術認定看護師を取得したことで、今まで以上に身の引き締まる思いがします。
背中を見てもらえるような手術室看護師になりたい。
山内 浩樹 副主任(千葉西総合病院)