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第10章 心肺蘇生のアルゴリズム

心室静止Asystole−解説

 一次救命処置を行いながら心電図のモニターをつけてモニターの波形が直線化しているときには心室静止を疑うがVFが隠れていないか確かめるために必ず誘導を替えてみる。
 VFが否定されたら気管内挿管を行う。
 そして末梢に静脈路を確保してエピネフリン1mg IVし、20mlで後押しする。エピネフリンは一旦投与を開始すると3から5分毎に定期的に投与する。この時点で高カリウム血症があるときに限り重炭酸ナトリウムを投与してもよい。
 以下の場合には経皮的ペーシングを考慮する。
  1. 徐脈からの心室静止
  2. アダムストークス発作
  3. 除細動後の心室静止
 続いてエピネフリンを投与して1〜2分たってもまだ心室静止が持続していればアトロピン1mg IVする。3〜5分毎にアトロピン1mg を追加していき、極量0.04mg/kg(約3mg)になるまで投与する。
 それでも心室静止が持続する時には重炭酸ナトリウムの投与を考える。

心室静止の覚え方
Asystoleの A は Atropine, Eは Epinephrine。

 Asystoleにカウンターショックは かけてはいけない。
 カウンターショックを行うことは 強い副交感神経刺激を心臓に加えることになるので(J Am Coll Emerg Phys 8:448,1979) これを行えば心室静止が洞調律に戻る可能性が激減する。臨床的にも心室静止に対してのカウンターショックは生存率を全く改善していない。(Ann Emerg Med 13:827,1984)
 しかしながら、もしVFを少しでも疑う時には脈をチェックしたうえで迷わずカウンターショックをかけるべきである。

Asystoleの時にも原因を考える。
これは ほぼEMDの時の原因 Bに準じる。
  1. 低酸素血症
  2. アシドーシス
  3. 低体温
  4. 高カリウム血症
  5. 低カリウム血症
  6. 薬剤の過剰投与
 いつCPRを中止するか?
 ACLSのアルゴリズムに従って蘇生を行い、かつAsystoleが持続するときには CPRを中止する時期を考えるが臨床的によく考えてから中止すべきである。但し低体温、電撃症、薬物中毒については心室静止が持続しても蘇生する可能性が残っている場合もある。


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