患者さんとご家族が症状をどう捉えているかを理解することが大切。
いろんな症状で受診され、あるいはご紹介をいただき、ガンの疑いのある患者さんを診察させていただいておりますが、わたくしどもが一番気になるのは、その方およびご家族を含めて周囲の方が、今の症状に対してどのように考えておられるかということです。診察の最初の段階で、この点を把握することが最も重要であると考えます。患者さんによって、病気に対する考え方が千差万別であり、特にガンに対しては非常にデリケートな部分があるため、ご本人やご家族が納得されて一緒に診療を進める必要があるためです。
例えば、いろんな症状を悪く捉える方とそうでない方で、対応が全く異なってきます。直腸ガンを含めて大腸ガンを例にとりますと、その最も重要な症状のひとつは血便です。この症状を悪く捉えると、すなわち大腸ガンとなり、軽く捉えると、切れ痔とかイボ痔や腸炎ということになります。それぞれ診断が患者さんの捉え方と合致している場合は、最初から患者さんと一緒にその病気に取り組むことができますので、すでにハードルはひとつ越えており、とりあえず問題はありません。しかし、異なる場合には大きな問題となります。
痔や腸炎の方に、「ご本人が心配しているから」といってCTや大腸内鏡検査を実施するのは、お体にもコストもご負担が大きくなります。一方、大腸癌の方に「ご本人が軽くとらえて検査を嫌がられるから」といって、検査を実施しなかったら見過ごしてしまうことになります。
また、「近所の人から・・・・と言われて心配で」と受診されることがあります。この場合も、その通りであればあまり問題ありませんが、そうでない場合には、その心配を否定し、全く新たな問題を解決する必要がある場合には、大変な(たくさんの検査を必要とする)ことになります。