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徳洲新聞ニュースダイジェスト

徳洲新聞PDF版

徳洲新聞2016年(平成28年)2/22 月曜日 NO.1019 過去のダイジェスト

葉山ハートセンター
不整脈治療カテ 保険適用
サタケ・ホットバルーンカテーテル
東レと共同開発

葉山ハートセンター(神奈川県)の佐竹修太郎副院長(不整脈センター長)と東レが共同開発した心房細動治療用カテーテル「SATAKE・HotBalloon(サタケ・ホットバルーン)カテーテル」が、4月に保険適用されることが決まった。同カテーテルは薬物療法が効かない発作性心房細動が対象で、先端に付いたバルーン(風船状の器具)内の液体を高周波で加熱し、原因部位をアブレーション(焼灼(しょうしゃく))して根治を目指す。従来のカテーテルアブレーションと比べ手術時間が短く、患者さんに負担の少ない治療が期待できる。世界にも例のない同センター発祥の治療法だ。

薬剤効かない発作性心房細動が対象

「世界のスタンダードになり得る治療法だと自負しています」と佐竹副院長

佐竹副院長は約16年前に同カテーテルの開発に着手し、2006年から09年にかけて、医師主導型の臨床研究として約400症例を実施。その後、同センターを含め最終的に計17施設による多施設共同の治験を行い、安全性と有効性を検討した。

14年に東レが厚生労働省に製造販売承認を申請、15年に同承認を取得。16年1月の中央社会保険医療協議会で4月の保険適用が了承された。4月以降は保険診療として同治療を受けることができる。現在、米国でも治験を実施中で、これまでの米国不整脈学会(HRS)AFシンポジウムでライブデモを実施、成功を収めている。

心房細動の患者数は全国で推定100万人とも言われている。1分間350回以上の異常な電気信号により、心房(心臓の4つある部屋のうち上部に位置する2つの部屋)の収縮リズムが不規則になることで発症。異常な電気信号の発生源は、肺でガス交換された動脈血を心房に送り込む肺静脈周囲であることが多い。発症後7日以内に動悸(どうき)や息苦しさなどの症状が消失する心房細動を発作性心房細動という。

先端にバルーンが付いた心房細動治療用カテーテル

怖いのは心臓のポンプ機能低下により、心房内に血液がよどんで血栓(血の塊)ができやすくなり、命にかかわる疾患を誘発することだ。

「血栓が頭に飛べば脳梗塞を招きます。重症脳梗塞の50%以上は心原性と言われており、注意が必要です。また、腎臓に飛べば腎梗塞、腸間膜なら腸間膜塞栓など、がんが転移するように多臓器に影響を及ぼす可能性があるため、心房細動はアメリカでは“心臓のがん”と恐れられています」(佐竹副院長)

薬物療法が奏効しないケースでは現在、高周波カテーテルアブレーション治療が広く行われている。これは、高周波(電流)を発する電極が先端に付いた専用のカテーテルを用いた治療法。大腿(だいたい)の付け根から挿入し、心臓内に誘導して先端の電極から肺静脈口周囲に高周波電流を直接10回以上通電し焼灼、電気信号が伝わらないよう肺静脈と心房を電気的に隔離する治療法をいう。

4月からは保険診療として治療を受けられる

開発したホットバルーンカテーテル治療も熱を加える点では同じ理屈だが、方法は大きく異なる。電極を直接当てて焼灼するのではなく、液体を注入し高周波で温めたバルーンによって、間接的に熱を伝えて焼灼する。

具体的には、カテーテル先端に付けたポリウレタン製のバルーン内に生理食塩水と造影剤を混ぜた液体を注入。患者さんの肺静脈口に合わせて直径20~35㎜に膨(ふく)らませ、中心の電極から高周波を出し、液体の温度を高め、肺静脈口をふさぐようにぴったりと押し当て、その周囲を焼灼する。一度に広い範囲をむらなく焼灼することが可能だ。佐竹副院長はバルーン内の温度を均一にする特殊な攪拌(かくはん)技術などに関し、国際特許を取得している。

佐竹副院長は「“点”ではなく“面”で焼灼しますので手術時間を大幅に短縮できます。透視時間も減らせ、X線の被ばく量低減につながります。通電時間から焼灼深度を計算できるため、むらのない適切な焼灼が可能です」とメリットを強調。

肺静脈口にぴったり密着するとバルーンの形が少しゆがむ。この状態で焼灼し一度に広範囲を治療。写真右は心臓の3D画像と重ね合わせた透視画像

続けて「バルーンの中心温度を70度にすると、表面は治療に適切な約60度になります。電極を直接当てるのではなく間接的に加温するため、焼灼部位の温度が表面温度を超えることはなく、通常の電極カテーテルによる焼灼とは異なり、温度が上がりすぎて血栓ができ脳梗塞を起こしたり、穿孔(せんこう)したりといった合併症を避けることができます」とアピールする。

同センターのこれまでの治療成績は発作性心房細動の場合、1回の治療で94%が根治に成功。発症後7日以上継続する持続性心房細動では87%、発症から1年以上続いている長期持続性(慢性)心房細動は根治率48%という結果を得ている。

佐竹副院長は「世界のスタンダードになり得ると自負しています。この治療法に興味のある循環器内科医がいましたら、短期でよければ研修を受け入れたい」と呼びかけている。

五島列島
t-PA投与件数増
長崎北徳洲会病院
脳卒中教育に成果

「t-PAにつなげるコツを覚えてもらえたら」と鬼塚副院長

長崎北徳洲会病院が2013年から行っている五島列島での取り組みが着実に実を結びつつある。同院の鬼塚正成・副院長兼脳神経外科部長は済生会長崎病院と協力し年2回、島内の上五島病院、五島中央病院、救急隊員らに神経救急の講習会を実施。このなかで脳梗塞患者さんに対するt-PA療法をテーマとする教育も取り入れている。t-PA療法とは薬を用いて血管を詰まらせている血栓を溶かし、血流を再開させる治療法。

とくに離島などの地域では急性期の脳梗塞患者さんが現れた場合、島内でt-PAを投与しながらヘリを待ち、投与後に本土の病院に搬送(DRIP and SHIP)しなければならない。しかし、t-PAは脳出血を起こす危険性があり、島内に脳神経外科や神経内科の専門医がいないことなどから「従来、五島列島ではDRIP and SHIPを諦めていたところがありました」(鬼塚副院長)。

だが、講習会開催により、DRIP and SHIPの症例が増加。とくに昨年は7件にまで増えた(図)。鬼塚副院長によると、五島列島で行ったDRIP and SHIP群と、本土のハブ病院(国立病院機構長崎医療センター)でt-PA投与を行った群とを比較したところ、3カ月後の治療予後は有意差なく変わらないという。

「少しずつですが、当院や済生会病院の教育成果が表れていると思います」と鬼塚副院長。ただし、「症例数が増えたということは、潜在的な患者さんがいる可能性があるということ。一人でも多くの患者さんを助けられるように近隣の医療機関と連携しながらトレーニングを重ねていきたい」と気を引き締めていた。

7月に呼吸療法セミ
湘南藤沢徳洲会病院で開催

人工呼吸管理の基礎から最新知識までを学べる「呼吸療法セミナー in 湘南2016」が7月16日から2日間、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)で開催される。今年で16回目。東京西徳洲会病院の渡部和巨院長が代表、湘南鎌倉総合病院(同)呼吸療法部が事務局を務める。

同セミナーは人工呼吸器の基本的な設定を習得できるカリキュラムで構成。講義に加えワークショップの充実も図っており、体験型の学習を重視。セミナーで学んだことを臨床場面と結び付けられるよう、仕上げに事例を用いたシミュレーションを行う。今年も米国の大学で呼吸療法を指導する教授など専門家を講師に招く(同時通訳あり)

日時 : 7月16、17日午前9時~
会場 : 湘南藤沢徳洲会病院3階講堂
費用 : 2万円(受講料、テキスト代、昼食代含む)
定員 : 60人。
対象 : 医師、呼吸療法認定士(看護師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士)

※2日間で認定更新のための点数50点が取得可能。米国呼吸療法学会(AARC)および国際部会(ICRC)発行の認定証も授与

申し込み方法:エントリーフォーム( URL: https://www.shonankamakura.or.jp/entry_section02_seminar/ )から申し込み。

医療講演・患者数とも
仙台徳洲会病院が急増

昨年5月、松原徳洲会病院(大阪府)の佐野憲院長が仙台徳洲会病院院長に就任以来、同院の医療講演回数が大幅にアップ。救急・外来・入院患者数も急増している。

 

佐野院長は「松原との違いは医療講演に来てくださる方の数。松原では数人ということもありましたが、こちらの最初の講演で20 人と多かったので、やりがいがあります」と話す。医療講演は、病気予防の呼びかけと同時に病院に慣れ親しんでもらうのが目的。講演を告知するビラまきはせず、一般紙にチラシをはさんだり、院内や公共施設にポスターを張っている。

2月18日現在、2月の講演回数16回、参加者は281人に上る。

一方、医療講演回数の増加を上回る勢いで、救急搬送受け入れ件数が急増している。

「断らなければ救急車は来てくれます。赴任当時は月約150件でしたが、今年1月の救急搬送数は530件と多数の救急車を受け入れました。救急患者さんだけでなく、消防の方たちからも受け入れに対して『ありがとう』という感謝の言葉をいただいています」

続けて「医療はやりがいのある世界。これを支えてくださるのが患者さんや地域の方たちの感謝の言葉です」と佐野院長。

同院は月~金曜日の午後4時半~7時まで、夕診を行っている。救急受け入れのため、外来の患者さんに待ってもらうこともあるが、患者さんから「それでも診てもらえればありがたい」と言われるそうだ。そんな患者さんたちの口コミもあって、外来・入院患者数も急増している。

同院は危機管理にも敏感で、「院内にある介護老人保健施設シルバーホームいずみで、入居者さん5人がインフルエンザに罹患(りかん)した際、ただちに対処し、広がることはありませんでした」(小松良司・事務長代行)。

佐野院長は一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長から「3年間、仙台に行ってほしい」と言われた際、こう答えた。「研修医を集めて育てるには時間がかかります。スタッフを増やすことも重要。東日本大震災で建物は疲弊、新築移転を実行するには、最低10年の勤務が必要です」と、同院立て直しに懸命だ。

長崎北徳洲会病院
11回目の病院祭

長崎北徳洲会病院は第11回病院祭を開催。午前10時開催だが、2時間前から長蛇の列という盛況ぶり。前回の来場者数を上回る800人超が参加した。

来場者のお目当ては、つきたての餅とフリーマーケット。毎年、餅は終了時刻前には完売となるため、前回と比べ200個増の1200個を用意したが、すぐに完売した。

ほかにも、カレーやうどん、フランクフルト、唐揚げなどの出店が並び、子どもたちには綿菓子とプリンが人気だった。

演芸の目玉は、恒例の有志による「ひょっとこ踊り」。子どもも参加し、踊りやひょうきんなお面で場の雰囲気を盛り上げ、会場の笑いを誘った。

最後を締めくくったのは福引抽選会。100個以上の景品があり毎年大人気だ。抽選結果を、固唾(かたず)を飲んで待ち望む方たちの熱い視線を受けながら、委員が抽選番号を発表するたびに歓声が起こり、病院祭は終了した。

病院祭の実行委員は「ご来場の皆様、協賛していただいた各企業様、誠にありがとうございました。次回もスタッフ一同、ご来場お待ちしております」と意気軒高。

中・重度や認知症対応
老健ゆめが丘がリハ強化

利用者さんに声をかけながらリハビリを促す塚田主任(右)

介護老人保健施設ゆめが丘(神奈川県)はリハビリテーションの体制を強化。通所リハビリでは中・重度利用者さんの割合を増やすとともに、入所で認知症利用者さんへの対応を実施している。同施設は昨年、リハビリスタッフを4人から8人に増員。とくに通所リハビリでは、リハビリスタッフ以外に一定数の介護職員や看護職員を配置するなど、より重度の利用者さんを受け入れる体制を整えた。その結果、要介護3以上の利用者さんからの依頼が次第に増加。現在は定員の約4割を占めるまでに至っている。

「通所リハビリに特徴を出し、ニーズに合わせて体制を変更した結果、地域のケアマネジャーから相談や依頼が増えました」(太田初望・支援相談員)

リハビリスタッフの増員にともない、認知症の入所者さんへの短期集中リハビリも実施。認知症の周辺症状の改善を目的に、計算や書道などを3カ月間、週に3回まで行う。1回20~30分、主に言語聴覚士がマンツーマンで対応する。「あくまでも在宅復帰を視野に入れている方が対象です。現在、利用者さんは6~7人ですが、増やすことも検討中です」と理学療法士の塚田浩庸リハビリ科主任。

長山隆一事務長も「在宅生活を継続する一番の方法は、ご家族など介護される方の負担をできるだけ軽減することです。当施設が少しでもお役に立てるよう努力していきます」と意欲を見せる。

徳洲会薬剤部会
九州・奄美・沖縄ブロック
質の高い研究に意欲
臨床業務研究会を開く

徳洲会グループ薬剤部会の九州・奄美・沖縄ブロックは1月24日、南部徳洲会病院(沖縄県)で第3回臨床業務研究会を開催した。エビデンス(科学的根拠)がある医療の提供に向け、臨床だけでなく学術活動にも注力する傾向は医療界全体の流れ。同会では質の高い臨床研究のため研究計画の立て方や関連制度など熱心に学んだ。

 

10施設・28人が参加し知見を共有するとともに交流を深化

同会は教育講演3題のうち2題を研究ハウツーとし、科学的な研究に必要な要素を学んだ。塩野義製薬の渡辺秀章・解析センター生物統計学部門長、一般社団法人徳洲会の土佐好子・臨床試験部会顧問、千葉徳洲会病院の福井宗憲・副薬局長がそれぞれ登壇。

渡辺部門長は「臨床研究の計画に必要な統計的観点」と題し講演、研究のエビデンスレベルは計画段階でほぼ決定することを強調した。研究計画には①目的に沿った仮説を立て、その検証のため比較対象を置く、②背景因子均一化のため無作為割り付けする、③客観性担保のため盲検化する、④検証に必要な症例数、解析対象集団、解析方法などをあらかじめ定める――の4つが必要とし、各々の考え方を詳説した。

土佐顧問は「漠然とした疑問を研究の基本設計図へ」がテーマ。まず昨年4月に施行された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の骨子を紹介した。「侵襲」や「介入」の定義が見直され、たとえばアンケート調査などでも精神的負担が生じるなら「軽微な侵襲」に当たることなど説明し、注意喚起した。

また、臨床上の疑問を研究の形にする具体的なステップを示し、「明確な目的さえあればサポートできますので、まず目的を明確化してください」と呼びかけた。

福井・副薬局長は「薬剤師の知っておきたいインスリン療法」と題し講演、血糖値は高いままより乱高下するほうが予後不良であることを明かし、血糖コントロールの重要性を訴えた。

持効型インスリンで基礎インスリンを維持しつつ、毎食直前に超速効型を注射し食後高血糖を抑制する「強化インスリン療法」は、血糖値を正常に近い形に保つが、1日に何度も注射するため抵抗感を覚える患者さんが多い。

そこで福井・副薬局長は経口薬+1日1回の持効型注射というBOT療法を紹介した。1回の注射ではコントロールが難しいこともあるが、一度インスリン療法を導入すると、注射回数の増加を許容する患者さんは少なくないという。BOT療法は患者さんの状態に合わせ注射回数をフレキシブルに変更可能で、「インスリン離脱も可能です」と導入を推奨した。

南部病院の磯村美和・副薬局長は質疑応答が活発だったことを評価し、「今大会が少しでも皆さんの研究意欲に火を付けたのなら嬉しい」と笑顔。中部徳洲会病院(沖縄県)の喜多幸子・副薬局長は総評で、「この会で得た知識をぜひ、病院にもち帰ってください」と声をかけていた。

医療安全で全体研修
八尾徳洲会総合病院が開催

研修会には約200 人のスタッフが参加

八尾徳洲会総合病院(大阪府)は医療安全をテーマに院内シンポジウムを開催した。同院は医療安全に対する意識の向上を図るため、毎年度2回、全体研修を実施。そのひとつとして今回、「事故からの学習・そして改善へ~NEVER FORGET(ネバー フォーゲット)12.17」と題するシンポジウム形式の研修会を企画した。

2007年12月17日に同院で起こった人工呼吸器に関連した看護師による医療事故について、関連部署の当時の責任者をシンポジストに招き、それぞれの立場から当時の様子や対応、防止策などについて講演した。

07年の事故を振り返ることで風化を防ぎ、これまで取り組んできた再発防止策などの情報共有を通じ、医療安全文化のさらなる醸成につなげるのが狙いだ。約200人の職員が参加し、各シンポジストの発表に真剣に耳を傾けた。

冒頭、研修を企画し座長を務めた同院医療安全管理部の浦上秀一部長は、627人の職員を対象とした事前アンケートの調査結果を紹介。それによると、事故の記憶があると答えたのは全体の71.5%で、在職期間8年以上に限ると93.4%の職員が記憶していた。

職種別では臨床工学技士が92.3%で最多だった。続けて、医療安全をめぐる歴史や昨年10月にスタートした医療事故調査制度を概説し、「医療事故に対しては“隠さない、逃げない、ごまかさない”という姿勢で向き合うことが原則です」と説いた。

このあと、当時の看護師長や担当医師、臨床工学技士長、医療安全管理部長が事故当日の経過や事故後の対応、原因分析、再発防止の取り組みなどを具体的に語った。

看護師長は事故後の緊急スタッフ会議やスタッフ面接を通じ、意見交換・原因分析を行うとともに、人工呼吸器や看護倫理について研修や勉強会を開催してきたことなど取り組みを紹介。

担当医師は「事故は誰でも起こす可能性があります。同じことを起こさないようにするためには、些細なことでも報告し合い、患者さんの治療方針など情報共有をしっかりと行うことが大切です」と訴えた。

手島・湘南鎌倉総合病院部長
卵巣がん疾患概念の変遷
日本病理学会秋期総会で講演

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の手島伸一・病理診断部部長は、都内で開催された第61回日本病理学会秋期特別総会の「病理診断シリーズ」のセクションで講演した。これは旬な話題を伝える同大会のハイライトで、毎年2人が選出。手島部長は卵巣がんの疾患概念の変遷などを紹介した。

 

東京大学安田講堂で感謝状を贈られる手島部長

手島部長は2014年にWHO(世界保健機関)が発刊した第4版『WHO卵巣がん分類』が第3版(03年発刊)から大幅改定したことから、その変更点の解説と同分類に対する私見を披露した。

最大のトピックスは、卵巣がんの発生機序の見直しと、それにともなう疾患分類の変更。従来、卵巣上皮がんは卵巣由来と考えられてきたが、①がん予防目的で卵巣を切除した後も、卵巣上皮がんのひとつ漿液性(しょうえきせい)腺がんの発生が相次いだ、②予防目的で卵巣を摘出した際に切除した卵管采(さい)(卵管の先端)にがんが見つかった、③高異型度(正常細胞との形状の乖離(かいり)が大きい)漿液性腺がんの60~70%で卵管上皮内がんを合併していた――ことなどが次々に判明。

「大多数の漿液性腺がんの原発は卵巣ではなく卵管采で、卵巣腫瘍は卵管がんの転移ではないかとの考えが婦人科病理の分野で広く支持されるようになりました」(手島部長)。女性には1カ月に1度、排卵があり、「その絶え間ない刺激を受け卵管采にがんが発生するのでは」と、予想される機序も解説。

WHO新分類ではこれを反映し、漿液性腺がんを低異型度(正常細胞との形状の乖離が小さい)のⅠ型と高異型度のⅡ型に分類、漿液性腺がんの95%を占める高異型度のほとんどが卵管采原発であることなどを示した。

手島部長はこの変更を「婦人科病理学の21世紀最大のトピックス」と認めつつも、「実臨床では卵管由来でない高異型度漿液性腺がんも一定数見られます」などと私見を披露。日本は卵管采由来のがんの発生頻度が米国より少ない可能性を指摘し、データ収集の必要性を強調した。

こうした変更を受け、卵巣がん肉眼観察のための細胞切り出しは、卵巣だけでなく卵管も采部を含め必ず採取すること、漿液性腺がんと転移性腺がんは似ているため鑑別に注意することなどを呼びかけた。

ほかにも、5㎜以下の微小浸潤を示す漿液性境界悪性腫瘍の20%で見られる非浸潤性インプラント(腹膜表面にできる予後良好な顆粒状の播種病変)は、将来的にがん化する可能性があること、卵黄嚢(のう)腫瘍(ヨークサック腫瘍)の定義が複雑化したことなどWHO分類の変更点に絡めつつ最新知見を紹介した。

徳洲会 関西ブロック介護部会
リーダー研修会開催

集中して講義に臨む参加者

徳洲会グループの関西ブロック介護部会は吹田徳洲会病院(大阪府)で介護リーダー研修会を行った。介護施設・事業所で、すでにリーダー職に就いている職員やリーダー候補の職員64人が出席。今後の介護の方向性やリーダーに求められる役割などを学んだ。

研修では主に講義と施設のプレゼンテーションを実施。講義では、一般社団法人徳洲会副理事長の福島安義・介護部会担当理事が「徳洲会グループの理念と運営方針について」と題し徳洲会の概要を説明。理念や発展の経緯、経営状況などを示した。

介護については法令順守をとくに強調。現行の介護保険制度では、ひとつの事業所が指定取り消しになった場合、同一法人が運営する他事業所まで指定が取り消される“連座制”の適用もあることを指摘し、法令順守の徹底を呼びかけた。最後に、地域の医療機関との密な連携を促し「医療・介護をスムーズに提供することが地域の方々に対する私たちの使命。良い医療・介護を提供してください」と激励した。

一般社団法人徳洲会の吉﨑和子・介護事業担当部長は介護リーダーに求められる資質と役割をテーマに講義。倫理観や使命感などの大切さを説いたり、円滑なコミュニケーションやモチベーションの向上に関するポイントを示したりした。

一般社団法人徳洲会大阪本部の奈良原啓司・経営対策室課長は「これからの介護保険制度と介護施設で求められる介護」と題し、今後の医療・介護の方向性や職員教育に必要な視点などについて講義を行った。

講義の最後に介護老人保健施設(老健)岸和田徳洲苑(大阪府)の丸山洋子・総看護師長が登壇。「食事の援助」をテーマに、食前から食後までのサポートや摂食・嚥下(えんげ)機能のアセスメントなどのポイントを解説した。

プレゼンテーションでは岸和田徳洲苑、吹田徳洲苑(大阪府)、八尾徳洲苑(同)、出雲徳洲苑(島根県)の老健4施設がそれぞれ自施設の取り組みを紹介した。

OKEHAZAMA ’n’ ROLL CONFERENCE 3rd
東西の医師が診断推論で対決
徳洲会の平島センター長 薬師寺医長は西軍に

「桶狭間’n’ロールはいつだって大歓迎だカンファレンス3rd」(ONRC3)が岸和田徳洲会病院(大阪府)で行われた。同イベントは診断をつけるための道筋を参加者全員で考える若手医師や医学生対象の勉強会。昼の部では医師が5人ずつ東軍・西軍に分かれ診断推論で対決した。徳洲会から平島修・奄美ブロック総合診療研修センター長と岸和田病院の薬師寺泰匡・救命救急センター医長が西軍で参戦したが惜敗。夜の部では19人の医師が登壇。夜を徹してケースカンファレンスを行った。このうち岸和田病院の御厨幸治・初期研修医が症例を報告した。

 

回答のプレゼンテーションを行う平島センター長(写真左・右奥)と薬師寺医長(写真右・右)

ONRCは今回が3回目。毎回、東日本の医療機関に勤務する医師と西日本の医療機関に勤務する医師が5人ずつ東軍と西軍に分かれ、提示された症例の診断を当て合う。出題者が症例のプレゼンテーションを終えると、両チームは一度、別室に移動し協議。一定時間が経過した後、各々回答を発表する。

1チームが回答を発表し終えるまで別のチームは会場に入れない。これを5題繰り返し、ポイントが多いチームの勝利となる。このチーム戦とは別に、対決を見守る参加者も「個人戦」として参加。一般と学生のそれぞれ1位を表彰。いずれも出題者への質問はできるが、インターネットなどを活用して調べることはできない。

北海道から沖縄県まで全国から約70人が参加

今回、岸和田病院が協力し会場を提供。総務課の武島誠副主任、椋本実樹男副主任、豊藏剛志職員が運営の一部をサポートした。

参加者は約70人。全国から駆け付け、なかには湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の瀬戸雅美・総合診療内科部長の姿も見られた。

昼の部ではチーム戦と個人戦を実施、平島センター長と薬師寺医長が西軍のメンバーで出場。国立国際医療研究センター病院の忽那賢志・国際感染症センター医師ら東軍と競ったが、僅差で敗れた。コメントを求められた平島センター長は肩を落としながらも「次回も、このメンバーで戦いたい」と雪辱を誓った。

夜の部で症例を報告する御厨研修医(左)

回答のプレゼンテーションのたびに歓声や感嘆の声が上がったり、神戸大学医学部附属病院総合内科の金澤健司・講師兼診療科長は落語スタイルで出題し、笑いを誘ったりするなど、会場は終始、熱気を帯びていた。臨床検査技師も出題するなど、ユニークなスタイルが印象的だった。

個人戦では藤田保健衛生大学医学部6年生の鵜山保典さんが学生1位。一般では福知山市立福知山市民病院の德田文太・初期研修医が表彰を受けた。

夜の部を見学する佐土原道人・岸和田病院副院長

休憩後、午後10時から夜の部がスタート。基本的に講義スタイルで、19人の講師のうち、御厨研修医が先陣を切った。御厨研修医は多様な症例を報告し、あるケースでは血液培養で一定の結果が出た場合、心エコーだけでなく、経食道エコーを行う必要などを説いた。

この後、地域医療機能推進機構(JCHO)の徳田安春・本部研修センター長らが登壇した。

講義がすべて終了したのは午前6時45分。盛況のまま閉会した。今回、関西の医学生が行っている勉強会「TEAM関西」が運営の大部分をサポート。

運営をサポートするTEAM関西

奈良県立医科大学5年生の桂川広幸さんは「ホッとした」とひと言。岸和田病院の上級医、研修医、事務職員と連携しながら準備を進めてきたことを明かし、「会場設営をはじめ、急な変更にも丁寧に対応していただきとても感謝しています」と目を細めた。

近畿大学医学部5年生の大平乃理子さんは、印象的な場面としてチーム戦での協議を挙げ、「先生方の会話が次々と展開していくので、付いていくのに必死でしたが、とても勉強になりました」と満足げ。岸和田病院のサポートに対しては「私たちのつたない運営をしっかりサポートしていただき、職員の皆さんを本当に心強く感じました」と振り返った。

椋本副主任らは「当院を知っていただくだけでなく、総合診療を希望する研修医のモチベーションにもつながるなど、メリットの大きいイベントでした」と総括。笑顔で参加者を見送っていた。

大腸がん腹腔鏡下手術
生駒市立病院が力注ぐ

生駒市立病院(奈良県)は、大腸がんを中心とした消化器がんの腹腔(ふくくう)鏡下手術に力を入れている。低侵襲であっても安全で質が高くなければ意味がない―との考えから、同院は日本有数の大腸がん内視鏡下手術件数を誇る大阪医科大学と連携。下部進行直腸がんに対しては欧米の標準治療である「術前化学放射線療法」も積極導入し、安全・低侵襲で局所再発率の少ない手術の実施に努めている。

安全・低侵襲で再発率も低減

「奈良県一の腹腔鏡下大腸がん手術の病院にしたい」と近藤副院長

内視鏡下手術は①拡大視できるため精緻な手術が可能、②低侵襲(傷痕が小さい)で身体負担が少ない、③入院が短期間ですむ、④術後の整容性(見た目)が高い―など利点がある一方、手技の難易度が高いため熟達した技術を要する。

生駒病院・外科の近藤圭策副院長は大阪医大消化器外科学教室で長年、大腸がん腹腔鏡下手術の研鑽(けんさん)を積んできた。これまで同手術を600例以上実施しており、短期手術成績の指標となる30日死亡率はゼロ。合格率30%前後の狭き門である「日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸領域)」の資格をもつ。

同院は消化器がん手術をはじめ主な外科手術に対し、適応があり、患者さんの希望がある場合は腹腔鏡下手術を施行。胃がんに対する腹腔鏡下胃切除術など先進性の高い手技については大阪医大が全面支援する。

同大学との太いパイプは同院の大きな強みであり、近藤副院長は「〝ひとりよがりな医療〟にならないよう、大学と密接に連携し、知見を更新していきます」と安全と質の担保を強調。

これまでの実績を生かし質の高い治療の提供を目指す

また、同院は、下部進行直腸がんに対して術前化学放射線療法を推進している。進行性の下部直腸がんは局所再発率が高く、がん切除の際に自然肛門や性機能が失われる可能性がある。術前に全身化学療法と、腫瘍および側方リンパ節領域をカバーするように放射線療法を施行し、がんを小さくすることで、再発率や機能障害の合併症の低減が期待できる。

欧米では標準治療となっており、大阪医大がいち早く取り入れたことから、同院でも実施することにした。放射線治療は近畿大学医学部奈良病院など近隣病院に依頼。

近藤副院長は「奈良県で大腸がん治療は当院が一番、と言っていただけるよう、これからも安全で質の高い医療を提供していきます」と宣言している。

徳洲会新都心クリニック
リラ~ックスしてドック受診
アロマと岩盤浴カプセル人気

人気の岩盤浴カプセル(手前)。奥がアロマトリートメントのスペース

徳洲会新都心クリニック(沖縄県)が人間ドックで実施しているサービスが好評だ。同院は2008年の開院以来、人間ドックの半日コースで希望者に無料で岩盤浴カプセルとアロマトリートメントのサービスを提供。岩盤浴カプセルはドーム状の機器に横たわり、遠赤外線の照射などで血行を促進、体を温める。

アロマトリートメントは実施する体の部位(背中かふくらはぎ)と目的(リラクゼーションやコリほぐしなど)に応じた香りを選んでマッサージを受ける。アロマトリートメントは近隣のサロンと連携し、セラピストがドックの予約がある日に同院に訪れて行う。所要時間はそれぞれ約10分。待ち時間に実施する。

同サービスを始めた理由について、大城美佐子コーディネーターは「受診される方に少しでもリラックスしていただきたいと考えました」と説明。口コミで広まり、現在はドックの受診日を岩盤浴カプセルとアロマの混み具合で決める人もいるという。今年度、ドックの実践は月平均400件を超える。

「検査とどちらが目的かわからないくらい人気」と池原盛弘事務長も喜びを表す。セラピストのひとりでエステティックサロン「リンパドレナージュりゅう」の大城光子オーナーも「地域のお役に立てるのであれば、ぜひ協力させていただきたいと思っています」。

池原事務長は今後、ドックの1日コースや企業健診などでの実施も検討。「時間やマンパワーに限りがあるので容易ではありませんが、多くの方に受けてもらいたいと思っています」。

大城コーディネーターによると、4月に新築移転する中部徳洲会病院(沖縄県)でも人間ドックなどで同様のサービスを実施する予定。

音信温心

家族と触れ合うクリスマス会 特別養護老人ホーム久宝寺愛の郷(大阪府)

当施設は昨年、開設以来2回目のクリスマス会を開催しました。「職員さん、今年はどんなことするのかなぁ」と入居者さんに楽しみにしていただいているクリスマス会。今回は入居者さんがご家族と触れ合うクリスマス会を企画しました。ご家族の方々もクリスマス会を心待ちにされているようでした。

当日は天気にも恵まれ65人のご家族の方々がお越しくださいました。食事はバイキング形式で、焼きそばやたこ焼きなど8種類の屋台はすべて施設職員が運営。屋台では職員が奮闘しながら料理を振る舞い笑顔で対応し、大盛況でした。また、余興として各フロアーの職員がパフォーマンスを披露しました。

多くのご家族にお越しいただき、入居者さんのたくさんの笑顔を見ることができました。ご家族の方々から「一緒に過ごせて良かった」との感謝の言葉をいただき、職員一同、冥利に尽きます。これからも季節に合った行事を考案し、楽しい思い出をつくっていただけるよう頑張っていきたいと思います。

介護福祉士・樋川美穂子

 

 

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