活動の成果など共有 オンライン業務改善発表会
徳洲会グループ看護部門は11月20日、北海道・東北ブロック(11病院)と九州ブロック(8病院)でそれぞれ業務改善発表会を開催した。看護の質の向上や業務の効率化など、日頃実践している改善活動の内容や成果を共有し全体の底上げを図るのが狙い。今年はコロナ禍のためオンライン開催。
2部制で行った発表の合間には積極的な質疑応答があった。札幌東病院の坂本眞起代・看護部長が1演題ずつ丁寧に振り返りながら講評。東北ブロック長の緑川律子・山北徳洲会病院(新潟県)看護部長が閉会の挨拶をした。
九州ブロックも2部制。業務の質を高める〝仕組みづくり〟に関する発表が多く見られた。審査の結果、1位は福岡徳洲会病院が選ばれた。同院の福豊彩紀看護師が発表したテーマは「循環器看護外来のシステム構築~時々入院、ほぼ在宅を目指して~」。心筋梗塞患者さんへの継続指導を目的に、従来から行っていた循環器看護外来のシステムを改善。
受診予約の一元管理、標準化された患者教育が行えるクリニカルパス(計画書)の作成、専用シートを用いた退院前訪問の実施などを行った結果、外来受診率の向上、再入院率の低減、スタッフのモチベーション向上などにつながったと報告した。
2位は鹿児島徳洲会病院で、山田こずえ看護副主任が「介護支援等連携指導料の算定向上に向けた取り組み」をテーマに発表。同指導料の2019年度実績が同規模のグループ病院の平均より低いことから、看護師も介入してソーシャルワーカーと役割分担を図ったり、入院から退院まで一連の流れを記した独自のシートを作成し情報共有を図ったりした。
その結果、月平均の連携件数が約3割増加。多職種と連携する機会が増え、在宅生活の支援に結び付いたことを示した。
3位は大隅鹿屋病院(鹿児島県)で、片野坂梨奈看護師が「正しくしまって楽しく時短!!」と題し発表。一般急性期病棟の自部署では、心臓カテーテル検査・治療を受ける患者さんが多く資材請求業務に時間を要していたため、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動を参考に資材の管理方法を再考。物品の置き場所や置く量を固定するとともに、物品棚や資材カートの配列と資材請求台帳の並びを統一した結果、請求作業に要する平均時間が14分短縮したと説明した。
最後に九州ブロック長の倉掛真理子・鹿児島病院副院長兼看護部長が総括。「8演題は、どの病院にも身近なテーマ。参考になったと思います」。
→徳洲新聞1267号掲載