近江草津徳洲会病院(滋賀県)は地域包括ケア病棟(49床)での生活リハビリテーションを強化している。理学療法士(PT)など専門職によるリハビリに加え、同院は病棟内で実施できる生活リハビリのプログラムを作成し、看護スタッフが実践。PTが考案したオリジナルの〝いきいき体操〟を取り入れるなど、多職種が一丸となって患者さんのADL(日常生活動作)改善を図り、在宅復帰の促進に努めている。
多職種一丸で在宅復帰促進
同院は同病棟の入院患者さんに対し、リハビリテーション科のPT、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)によるリハビリ以外にも、看護スタッフ(看護師、看護補助者)が体操やレクリエーション、歩行練習、デイルームでの食事などを通じ生活リハビリを行っている。
しかし、これまで生活リハビリに関しては確立したプログラムがなく、また実施状況にばらつきがあり、アウトカム(成果)を評価できないことが課題だった。
「このような状況を改善するため、患者さんの離床時間を増やしADLを改善する生活リハビリの標準化を目的とした『病棟リハビリプログラム』を作成しました。看護スタッフが入棟時から退院時まで毎日、同プログラムに基づいた生活リハビリを患者さんに提供しています」(大河治子・看護部長)
病棟リハビリプログラムでは、①デイルームまたは自病室でいすや車いすによる座位で食事、②同院オリジナルの〝いきいき体操〟、③PT・OTが患者さんごとに作成した病棟内で実施できる生活リハビリのメニュー(病棟廊下やスタッフステーション周囲での歩行練習、足踏み体操、トイレ移動、トイレ動作など)に取り組む。病棟内に備え付けている「地域包括リハビリ表」に記載し一元的に管理、実施状況を可視化している。
いきいき体操は音楽に合わせ体を動かす上下肢の運動を中心とした体操だ。座ったまま行うことができる。梶原正章院長やPT、看護師がモデルとなった見本の動画も作成した。コロナ禍以降は3密(密閉、密集、密接)を避けるために、グループ分けして行うなど感染対策にも気を配りながら取り組んでいる。
→徳洲新聞1259号掲載