吹田徳洲会病院(大阪府)は5月から5S活動に取り組んでいる。5S活動は職場環境を改善するための基本的な考え方。「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の5つのSを意味し、これらを徹底することで環境美化のみならず、従業員のモラル向上、業務の効率化、支出削減、職場の安全性向上など、多様な効果が得られる。
同院は毎年、活動のテーマを掲げ、これまで病院機能評価やISO(国際標準化機構)、JMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)の認証取得などを実践。2020年度は「5S活動の推進」とし、太田仁八PETセンター長をリーダーに、鈴木清亀・資材課課長補佐を事務局の窓口にし、コアメンバーを決めて取り組んでいる。
「開院から7年目となり、そろそろ各部署の〝無駄〟がわかってくる頃ではと、当時の植嶋敏郎・事務部長(現・一般社団法人徳洲会事務局長)が発案しました。医局や併設の介護老人保健施設も含め全部署で、お金をかけずに行っています」(鈴木・課長補佐)
活動は、各Sを3カ月ごとに推進。これまで「整理」と「整頓」を行った。主に書類や備品を対象とし、〝直近2カ月〟を目安に、誰もが不要と思う物にはレッドカード、他部署では必要かもしれないと思う物にはイエローカードを貼り付け、整理するとともに利便性などから配置場所を検討した。コアメンバーの田坂亜紀・看護主任は活動を「教育の一環」とアピールする。
「たとえば、看護師が処置などで使用する資材は、キットとしてまとまって納品されるものが少なくありません。一つひとつの材料が何のためにあるのかを理解していないと、不足した時に調達できない。とくに経験の浅い看護師には要・不要の見極めとともに、物品に対する理解も深めながら取り組みました」。
現在は「清掃」を推進中。太田センター長は「ずっと勤めてもらえる働きやすい環境づくりのために継続していきたい」と意欲を見せている。
→徳洲新聞1257号掲載