徳洲会グループからのお知らせ

宇和島病院が認知症ケア強化 多職種のチームをつくり

【宇和島徳洲会病院】

2020/06/30

中国・四国地方


カンファ&ラウンド実施

宇和島徳洲会病院(愛媛県)は地域の医療ニーズに対応し認知症ケアを強化、多職種で構成するチームを設け、入院患者さんを対象に毎週カンファレンスとラウンドを実施している。3月末までにかかわったケースの約7割で、BPSD(認知症の周辺症状)など状態が安定し退院。認知症に対するスタッフの理解促進や意識統一も図れるなど奏功している。

介入した7割 状態安定し退院

宇和島病院が行っている認知症ケアカンファレンス・ラウンドは、毎週水曜日の午後に実施。医師、看護師、介護福祉士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーで構成する認知症ケアチームが、スタッフや電子カルテの情報などをもとに、介入すべき入院患者さんをピックアップし、病棟を回る。

主に興奮、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、徘徊(はいかい)、失禁などBPSDやせん妄が見られ、対応が困難な患者さんが対象だ。ケアの目標は①認知症症状の悪化がなく、治療を終えて早期に退院する、②患者さんや家族が安心して入院生活を送れる――を掲げている。

こうした活動に取り組む背景には地域の高齢化がある。同院が立地する宇和島市の高齢化率は39・0%(4月30日時点)。厚生労働省が予測している2065年の日本の高齢化率38・4%をすでに上回っている。同院に入院する患者さんも高齢者が多く、現在、平均年齢は78・6歳、高齢化率は86・9%。65歳以上の入院患者さんの1・5人に1人が認知症を有している状況という。

認知症ケア専門士の資格をもち、認知症ケアチームの発足にかかわった大野恵・看護師長は「入院による環境の変化は、とくに認知症の方にとって大きなストレスとなり、BPSDやせん妄を引き起こすきっかけになりやすいと言われています。しかし、当院では全体的にスタッフの認知症に対する知識が不足しており、認知症患者さんの入院が増えても、きちんと対応できませんでした。そこで18年6月に内科や認知症を専門とする貞島博通総長とともに認知症ケア向上委員会を発足。ケアチームを立ち上げ介入することとしました」と説明する。

介入するにあたり、最も重視したのが情報の共有。チーム設立当時は端末に各病棟スタッフが気付いたことなどを自由に記録するスタイルだったため、人によって情報の内容や順番に差異が見られ、「チームでカンファレンスしても、欲しい情報がなく、ケアの方針などが立てづらかった」(大野師長)という。

そこで、同院は18年7月に「認知症ケア用紙」を作成。入院前の生活状況、ADL(日常生活動作)、患者背景、趣味嗜好など必要な情報を1枚にまとめ、事前に病棟看護師が入力。そのうえでカンファレンスを行い、チームメンバーは、その情報に画像・検査データやリハビリテーションの状況などを加味し、各専門職の立場からケア方法の提案や今後の方向性などを検討する。カンファレンス後のラウンドで、直接、患者さんの訴えに耳を傾けたり状態を確認したりして再度、対応策を検討し、各病棟スタッフにケアの方法や環境調整などを伝達。

認知症ケアカンファレンス・ラウンドは今年3月末までに160人に実施。そのうち約7割が安定した状態で退院、3割は状態が安定しながらも継続入院などとなった。「まだ始めたばかりで評価はできませんが、少なくとも、以前のような“患者さんが不穏になっても誰に相談していいかわからない”といった状況は改善できました」と大野師長。貞島総長も「介入することで不穏な方が落ち着いたり、チーム以外のスタッフでも患者さんの状態を安定させるための行動が自然にできたりするようになりました」と手応えを示す。

課題は、個々のスタッフのレベルアップ。認知症ケアチームの活動内容として、事例検討会やチーム以外のスタッフへの研修を定めているが、「最近は新型コロナウイルスの影響もあり、まったく行えていないのが実状です」(大野師長)。

同院は今後、人材育成に力を注ぎ、ケアの質を底上げしながら活動を継続する。

貞島総長は「チーム医療で患者さんが良くなっていく光景を目にすると、とてもやりがいを感じます。地域事情を考えれば、もはや認知症対応は基本。取り組まなければならないことです」と指摘。そのうえで、「マンパワーやスペース、経営的な側面に配慮しなければなりませんが、将来はDCU(認知症ケアユニット)の開設も考えています」と胸の内を明かす。

→徳洲新聞1237号掲載

 

宇和島徳洲会病院 看護部サイトはこちらから
http://www.uwatoku.org/nurse/

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