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徳洲新聞 2008年(平成20年)7/7 月曜日 NO.628

伊・国際会議で修復腎移植を発表
~臓器移植の最新情報を交換~

6月20~21日、イタリア南部のソレントで「LIVING DONOR ABDOMINAL ORGAN TRANSPLANTATION: STATE OF THE ART」と題した、臓器移植に関する国際会議が行われた。

世界中から著名な専門医が集まり、腎臓や肝臓など腹部臓器移植についての最新情報を共有することが目的だ。今回で4回目の開催。

この会議に、藤田保健衛生大学の堤寛教授も参加して発表した。堤教授は、万波誠医師(宇和島徳洲会病院)らが行った修復腎移植(いわゆる病腎移植)の成績などを発表。また、世界中で行われてきた同移植の歴史も紹介した。

万波医師らが修復腎移植を行うようになった背景の一つに、欧米に比べて死体臓器移植の待機期間が長いことがあげられる。堤教授が、日本の腎移植待機期間は平均16年にも及ぶと述べると、参加者からは大きなため息がもれていた。

また、小さな腎がんを部分切除した修復腎移植を50例以上実施したデビッド・ニコル教授(豪クイーンズランド大学)も症例を発表。生体ドナー(臓器提供者)獲得の新たな方法として参加者からの大きな興味を集め、活発な質疑応答が行われた。

会議では2日間にわたり、欧米でのドナー獲得プログラムや免疫抑制剤についての研究などが発表、討議された。

“スーパードクター”が来日講演
~第53回日本透析医学会学術集会・総会~

6月20~22日、「第53回日本透析医学会学術集会・総会」が神戸市で開かれた。21日のランチョンセミナーで、米国マイアミ大学ジャクソン記念病院移植外科の加藤友朗医師(助教授)が「移植病棟24時~赤ちゃんを救え~」と題して講演。葉山ハートセンターの水附裕子看護部長(日本腎不全看護学会理事長)が司会を務めた。


加藤友朗医師

加藤友朗医師

米国・フロリダ半島南端にあるジャクソン記念病院は、病床数1550の総合病院。毎年400例以上の臓器移植が行われており、移植医療では同国トップレベルの医療機関として知られている。中でも、胃・腎臓・膵臓・肝臓・小腸・大腸のすべて、または一部を組み合わせて同時に移植する「多内臓移植」は世界最多の症例数を誇り、世界中から患者さんが訪れている。

加藤医師が得意とする分野は、小児・成人の肝移植。そのほか、肝体外切除(がんのある肝臓を体外に取り出し、がんを切除後に体内に戻す手術)も手がけている。また、これまでに世界で実施された約400例の小児への多内臓移植の半数以上に携わり、そのスペシャリストとしても有名だ。日本では“スーパードクター”として、テレビで紹介されたこともある。

「移植はとても魅力ある医療だと思います。実際に移植を受けた人に会うと、その素晴らしさはよくわかります」

講演の冒頭、加藤医師は、移植を受けて回復した子どもたちの写真を20枚ほど紹介した。

手術前に生死の境をさまよっていた子どもが、手術後にはとても元気になって家族もみんな笑顔になる──。そんな写真の数々に、会場からはため息交じりの声が上がった。

続いてアメリカの移植医療の状況と、世界の趨勢を説明。今年5月に国際移植学会が中心となってまとめた「イスタンブール宣言」では、臓器売買と、移植を国外に求める渡航移植、臓器移植の商業化への反対、死体(脳死・心停止)ドナー(臓器提供者)を増やし、移植臓器は各国で自給することなどが骨子に盛り込まれている。

加藤医師はさらに、移植医療がなかなか進まない日本で、どうすれば移植医療を普及させられるかについても言及。「そのためには、多くの人が臓器移植のよさを理解し、脳死への理解を深めることが大切」と語った。

水附裕子看護部長

水附裕子看護部長

移植先進国アメリカでの脳死ドナーは年間8000人いるのに対し、日本はわずか10人(2006年)。アメリカでは、生体ドナーよりも死体ドナーのほうが多い事実もある。生体ドナーからの移植が大半を占める日本の状況を前進させるには、脳死ドナー数の増加が不可欠だ。

その一つの手段として、同医師はアメリカで小児の脳死判定に普及している、脳血流測定を日本でも実施することを提案した。脳死になると、脳の血流は非常に少なくなるか途絶えてしまう。アメリカでは、この脳血流測定で医師をはじめとする医療チーム、家族も納得するという。

加藤医師は、最後にこう問いかけた。

「『あなたの子どもが臓器移植でなければ助からない場合、移植を受けさせますか?』という問いに対して、多数の方はYESと答えるでしょう。一方で、『あなたの子どもが脳死になったら、あなたは臓器提供を考えますか?』という問いには、NOが圧倒的に多いと思います。この乖離に一つのヒントがあると考えます。そこで、臓器提供を断らない限りドナーとなるオプト・インという考え方を導入し、オプト・インを選択した人は、優先的に移植を受けられる仕組みにしてはいかがでしょうか。臓器をもらいたい人は、あげる側にもなるのです」

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