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徳田虎雄理事長ご挨拶

「生命だけは平等だ」の理念 愛ある高い目標掲げ行動を

世界200カ国に医療福祉施設 夢の実現に向けて皆で頑張ろう

徳田虎雄 一般社団法人徳洲会代表者最高顧問 医療法人徳洲会理事長

昨年も激動の年でした。東日本大震災からの復興はほど遠く、経済はデフレが続き、外交問題も多発しました。昨年12月の衆院総選挙では自民党が圧勝。民意は口先だけの公約よりも、実行力を重視したように見えます。

ただし、自民党も約束を守り、実績を出さないと信頼を失います。

医療は患者のために、経済は消費者のために、政治は国民のために。政治は最高の道徳であるべきなのです。

3年前の民主党政権発足時、知人の同党議員が「医療費を上げる」と説明に来室。私は「上げる必要はない」と主張しましたが私の心が届かなかったようです。

日本は、財政赤字が大きい割に医療全体を甘やかしています。英国や欧州各国は医療予算を厳しく引き下げており、日本も欧州並みに削減せざるを得ないはずです。

目前に消費税増税を控えていますが、消費税が上がれば受診抑制が起こります。消費税自体の影響も生じる可能性が高く、病院経営はますます厳しくなります。

自治体病院の多くは「医療は金儲(もう)けではない」という口実で経営を疎(おろそ)かにしてきました。30年後には、人口が8000万人台にまで減少すると推測され、民間病院も含め10年後、20年後には多くの病院の経営が成り立たなくなってしまいます。

徳洲会の原点である離島僻地医療の維持・発展を

徳洲会は2010年3月、静岡県牧之原市の榛原(はいばら)総合病院を指定管理者方式で引き受け、さらに奈良県生駒市でも新築される病院を同方式で引き受けます。今後も、自治体病院の運営要請が増えてくることでしょう。

徳洲会は利益のために病院を運営するのではなく、地域に必要とされ、引き受け手のない場合のみ引き受けることもあり得ます。こうした病院の受け皿になるためにも、既存病院を建て替え、大型化・高度化して基盤整備をすることが必要です。

昨年は札幌病院と湘南藤沢病院(旧・茅ヶ崎病院)が新築移転。現在、新築移転の千葉西や千葉、名古屋、福岡、大隅鹿屋の各病院が工事中で、新設では成田富里病院、吹田病院が工事中。

本年度中の着工予定は、新設が武蔵野病院、先端医療センター(旧・鎌倉病院)、茅ヶ崎病院。新築移転は宇治、沖永良部、中部と続き、計15病院。今後5年で30病院が着工予定です。これらの病院の建て替えには多額の資金を要しますが、新築移転の病院は自己責任で行う覚悟をもち、他病院もできるだけ借金を返し、利息を節約すべきです。

病院を大型化し、最新鋭の医療機器を導入することで、医師対策を行いやすくなります。私は新設病院は金儲けではなく、医師不足で苦しむ離島・癖地(へきち)に医師を送るための人事に必要だと考えます。

徳洲会の原点である離島・僻地医療を維持・発展させるために、都市部の病院に協力させる体制を、万難を排してつくるつもりです。離島・癖地の医療と途上国の医療を、やり抜く覚悟です。

『真実一路』弱きを助け悪しきをくじくが基本だ

私は昨年6月の札幌徳洲会病院の新築移転竣工式を皮切りに、8月には大阪と中部地方を回り、職員にこう訴えました。

「人間として『弱きを助け、悪しきをくじく』が原則。生きていること、人のために働けることに感謝してほしい。弱っている人を助けるために、しっかりと理念に基づいた行動をしてほしい。それから医療技術と接遇の勉強をしてほしい。仕事の報酬は仕事、やりがいと人の役に立つことを喜びとしてほしい。人生は義理人情と人のつながりが大切で、まずは親孝行から始めてほしい。『生命(いのち)だけは平等だ』の理念を理解してほしい。私は欲も得もなく、国内の医療を良くすると同時に途上国の医療を良くするために必死に頑張りたいから、協力してほしい」と。

京都大学では、iPS細胞研究所の山中伸弥教授と面談。教授はALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の皮膚細胞からiPS細胞(新型万能細胞)を作製した際、神経細胞の突起物が通常より短いことや、治療薬の候補となる化合物を特定したことを説明されました。今後の研究成果が大きく期待され、徳洲会グループは全面的に支援することを決定しています。

昨年10月末には沖縄・奄美を訪問。職員や地域の方々に私の離島の医療福祉にかける熱い想いを伝えるとともに、離島の医療を維持・発展させるためには、地域住民の「自分たちの島の医療は自分たちで守る」という覚悟が必要だと訴えました。

奄美群島の人口は12万弱、7病院と30の医療福祉施設があり、CT7台、MRI6台で患者さんの治療にあたっています。島々を回った際、都会に負けない日本一の医療を行っていると実感、故郷の医療に貢献できていることを嬉しく思いました。これからも離島・癖地の医療福祉を守るために全力で取り組みます。

人生は苦しいことが多いほど豊かになると悟った

「世の中で、歴史上で一番苦労を背負う男・徳田虎雄(一番良い人生を背負わされた男・徳田虎雄)」

これは以前、私が手帳に記した言葉です。振り返ると、私の人生は苦難の連続でした。そして現在もALSにかかり、手足も動かせず、自律呼吸も経口摂取もできませんが、頭だけはしっかりしているので、世界200カ国に病院をつくる構想を、寝ても覚めても考えています。身体が痛くもかゆくもないことに感謝し、キリストの何万分の一も苦労をしていないと思えば、つらいことは我慢できます。人生は苦しいことが多いほど豊かになります。天は私に、病で苦しむ弱い人や困っている人のための病院を、世界中につくらせようとこの病気を与えてくれたと感謝しています。

いま、この瞬間にも満足な医療を受けられずに落とす命が日本中、世界中にあります。私たちは「生命だけは平等だ」の理念の下に、病院を世界200カ国につくる夢の一歩をすでに踏み出しています。

徳洲会は、今年創立40周年を迎えましたが、決してその歩みを止めることはありません。

「小医は病を癒し、中医は人を癒し、大医は国を癒す」。そして、徳洲会は世界を癒す。

夢の実現に向け、力強く、無我夢中で、皆で頑張りましょう。


介護福祉施設もより充実 病院との連携を密にし安心を

徳田哲 医療法人徳洲会副理事長

明けましておめでとうございます。

今年1月10日、徳洲会は創立40周年を迎えます。大阪府松原市に徳田病院(現・松原徳洲会病院)が開設されたとき、私は7歳でした。開設前、両親が金策に走り回っていたことは、かすかに覚えています。

開院3カ月後に病院の近くに引っ越しましたが、父・徳田虎雄理事長が家に帰ってくることはほとんどありませんでした。病院に泊まり込んで診療と手術にあたり、患者さんのための医療に全力で取り組んでいたからです。

子どもは親の背中を見て育つといいますが、7人きょうだいのうち5人が医師になったのはその証だと思います。

徳田病院開院時に、理事長は行政や医師会、地元の方々、そして故郷・徳之島の方々を招き、パーティーを開いたそうです。いま思うと、当時の理事長の、故郷・徳之島に病院を建てたいという強い意志が、ひしひしと伝わってきます。

周囲から見れば、徳洲会は順風満帆に発展してきたかのように思われそうですが、そうではありません。幾多の困難を、徳田理事長の情熱と「生命(いのち)だけは平等だ」という理念で乗り越えてきたのです。

昨年末の徳洲会経営戦略セミナーで、今年度の実績が発表されましたが、目標数値を達成していない施設が少なくありませんでした。

徳洲会は今後5年間、3病院の新設と30病院の新築移転プロジェクトを進めていきます。新設はともかく、新築移転するとその病院は必ず赤字に見舞われます。それを支えていくのが、グループの全職員です。そのためには、まず1月から3月までの今年度の成績を上げることが必要です。

昨年は、数多くの介護福祉施設をオープンすることができました。これからの病院運営は、介護や福祉の問題を抜きにして語れません。

介護保険もそのひとつです。ますます少子高齢化が進み、高齢の患者さんの退院後の引き受け場所として、介護福祉施設は欠かせません。介護福祉施設をより充実させ、病院との連携を密に。さらに地域の方々が安心して利用できる施設を今年も新設していきたいと思っております。

徳洲会グループは10年後、20 年後を視野に入れ、地域のニーズに対応し、さらなる発展を目指して最善の医療・介護・福祉が受けられるよう努力してまいる所存です。


いまはまさに夢のような日々 原点の徳田病院開設から40年

徳田秀子 医療法人徳洲会副理事長

新春を寿(ことほ)ぎお喜び申し上げます。

昨年は突然の衆院解散で、徳洲会グループの各施設ならびに東京・大阪本部の職員の皆様の絶大なご支援を賜り、次男・たけしが無事に3選を果たさせていただいたことに、心から御礼申し上げます。

いざとなれば多くの方が支援してくださるのも、徳洲会グループならでは。遠方の方たちからは、励ましのお便りを数多くいただきました。「当確」の字幕がテレビに映ったときには、大勢の方にお祝いの電話を頂戴し、心底から感謝いたします。

本年1月10日には、徳洲会の原点となる徳田病院が大阪府松原市に開設されてから40周年を迎えます。思い起こせば、当時は資金もなく保証人になってくださる方はひとりもいませんでした。

開院準備は1971年から始まり、キャベツ畑を建設用地と定めましたが、代金1800万円の手付金200万円が用意できませんでした。徳田虎雄理事長の苦労する姿を見て、私は八尾市役所内にある中小企業金融公庫に相談し、当時経営していた美容院の運転資金として100万円を借り受け、それで手付金を支払うことができたのです。その瞬間の喜びは、大きな夢の第一歩を踏み出す感動に満ち満ちていました。

当初、開設計画を商社にと思いましたが銀行の借入利率5%に3%の利率が上乗せされることを知り、理事長は銀行からの融資を受け自分で建設したいと。私は子どもを前後に抱え、八尾市内の全銀行を回りました。そのなかで1カ所だけ応じてくださる銀行があり、土地代の残金1600万円を支払いました。

しかし年末に全額の返済を迫られたのです。翌年1月中にといわれ、その年の瀬は不安と寂しさのなかで過ごしました。翌年1月4日には元気を取り戻し、予定地沿線でも大きい藤井寺駅に降り立ち、6銀行を回りました。

5銀行は門前払い。最後に訪ねた銀行にたどり着いたのは午後3時15分でしたが、銀行前の公衆電話からお願いしたところ支店長が会ってくださることに。結果、理事長の生命保険を担保に1億7700万円を借り入れ、10カ月足らずで病院が完成しました。

その当時のことを思い出しますと、いまは夢のような日々です。理事長は医療と政治の両輪で走り続け、喜びと悲哀が織り成す、まさに苦節の40年でした。



チャレンジが始まる年 医療の質への第三者評価

鈴木隆夫 一般社団法人徳洲会理事長 医療法人徳洲会副理事長

昨年11月6日、湘南鎌倉総合病院は米国の国際的な医療施設評価基準のJCI認証を国内で4病院目に取得しました。この認証を取得することは、徳洲会グループの病院の質(安心・安全・親切の世界基準、それを支える指揮命令系統および経済的なバックグラウンド)をクリアしているかを問うものでした。

鎌倉病院は日本で最多数の救急を受け入れ、業務量が多い病院ですが、自分たちが取り組んでいる仕事は忙しくても、その質は世界基準に合致しているか、それを第三者に評価してもらうためにあえて挑戦したものでした。

一次から三次救急までの実質上の救命救急を担いながら、なおかつ質を客観的にも確保する証拠が必要だったのです。この基準を取得することで、職員の業務量の適正化や、その間に職員のチームワークが培われたのは思わぬ副産物でした。

チームワーク抜きの質は、事故を呼び込みます。いかに多くの救急車を受け入れても、人を安心させることはできません。自分たちこそ地域一、あるいは日本有数と自負している部門はたくさんありますが、それは、第三者が質の高さを保証するものではないのです。

審査には費用がかかりますが、将来的にはグループ内でチーム指導を行うことで、費用の抑制が図られますし、何よりもこの基準をクリアするための設備や人に対する投資が患者さんの安全の確保につながるのであれば必要なものだと考えます。

徳洲会も昨年、医療ツーリズム元年が始まり、3カ月間で1240件の問い合わせや実際の患者さんの動きがありました。JCI認証を取得したことで、世界の保険会社をとおして徳洲会グループ全体がレベルの高い医療を実施しているという認識を得ることができます。中国やロシア、東南アジア諸国から、鎌倉病院を窓口に問い合わせを受けています。

来年には、厚生労働省がつくる外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)に日本で最初に挑戦する予定です。これは、厚労省が国際医療ツーリズム推進のために設置したものです。

徳洲会がこの先、縮小する医療サービスのなかで理念を追求し続けられるよう、グループ病院でさらにJCI取得病院が増えればと考えます。

徳洲会は創立40周年、まさに医療の質に対する第三者評価にチャレンジする年なのです。


理事長の夢・希望・ロマン すべての職員が共有し実現を

安富祖 久明 医療法人沖縄徳洲会副理事長 中部徳洲会病院総長

明けましておめでとうございます。

今年は徳洲会創立40周年にあたる節目の年です。徳洲会は2万6100人の職員、67病院を中心に医療・介護・福祉施設400余の巨大組織に成長しました。巨大化によって、私たちは一昨年の大震災の際、TMAT(徳洲会医療救援隊)を通じ、全国の職員が集結して医療を現場に届け、被災者の皆さんのお役に立つことができました。また地域住民の方々が安心して生活できるよう、患者さん中心の医療を実践すると同時に、地域の経済的発展にも寄与できるようになりました。

医療・介護・福祉に加え自然災害や雇用などの面でもお役に立てるのは、私たちの誇りであると同時に社会的責任が大きくなったことを意味します。また、巨大化によって起こりがちな組織の官僚化、職員の無責任化やモラルの低下などを克服しなければなりません。

創立40周年にあたり、これらを念頭に置いて目標計画を立てました。

徳洲会の医療活動は社会活動の一環である(徳田虎雄理事長)。医療・介護・福祉の実業のうえ、地域の創造的文化活動(政治、経済、教育、スポーツなど)に寄与する。まず沖縄ブロックでは経営的安定と発展のために、全体として粗利益率24%にチャレンジする(中部25%、南部23%、与論22%、宮古・石垣20%、2012年4─10月22・3%)。

次に技術革新として強度変調放射線治療装置(南部)と手術支援ロボットダヴィンチ(中部)のさらなる活用、脂肪組織由来の幹細胞による組織修復の臨床研究実施。各医療チームの充実、ラパロ( 腹腔鏡(ふくくうきょう))チームの立ち上げ。

15年の中部徳洲会病院新館(1万5364坪)の開設に向けて医師、看護師、コメディカル対策、さらに臨床研究(修復腎移植、脂肪組織由来幹細胞の利用など)・治験、TMATにおける活動、医師、看護師の応援など。

手足を動かせず、食事も取れず、呼吸すらままならない徳田理事長は昨年、北海道、大阪、沖縄、奄美へ命懸けの旅を決行しました。理事長の大きな夢、希望、ロマン─「生命(いのち)だけは平等だ」の理念の下、困っている人や弱っている人のため、世界200カ国に病院と福祉施設をつくる─を私たち2万6100人の職員が共有することによって、いつの日か実現できるのではないでしょうか。皆で頑張りましょう。


与えられた仕事を着実に 各職場で大輪の花を咲かせる

福島安義 医療法人沖縄徳洲会専務理事 共愛会病院院長

明けましておめでとうございます。

昨年は、急な衆議院解散と総選挙、そして政権交代、安倍内閣の誕生と、たいへんあわただしい年の瀬でした。

さて、今年はどんな年になるのでしょうか。日本の経済状況は、このデフレを克服し前を向けるのか。また、中国、韓国などとの外交は、波風の立たぬ安定した状況にもち込めるのか。とにかく良い年になってほしいと願わざるを得ません。

私たち徳洲会グループにとっては、今年は創立40周年という記念の年にあたります。どんなに優秀な企業にあっても、必ず栄枯盛衰があります。私たち徳洲会グループは、徳田虎雄理事長の卓越したリーダーシップの下に、ここまで上り詰めてきました。これから先の40年を見すえて、この記念の年に私たちは何をどうしていけばよいのでしょうか。

私は、創立40年にあたって、何より大切なことは、原点に帰ることだと考えます。私たちは何を目的に医療を続けてきたのか。これまでの40年間、“生命だけは平等だ”という理念をもって、“いつでも、どこでも、誰でもが、最善の医療を受けられる社会をめざし”て全世界に病院をつくるという理事長の思いに共感し、医療を続けてきたはずです。

目を世界に向ければ、まだまだ医療の恩恵に浴していない方はたくさんいます。また、私たちが住む日本でも、十分に医療を受けられない方がいます。こうした方々のために私たちは、いかに最善の医療を提供できるかを必死に考えていかねばなりません。

私のいる函館市では、人口27万7000人のうち65歳以上の独居老人が1万7000人。なんと10歳以下の子どもの総人口と同じなのです。こうした方々が寂しく孤独死をすることがないように、必死に知恵を絞っていかねばなりません。

私たち小人は、二宮尊徳の言葉にあるように、“ 凡(およ)そ小人の常、大なる事を欲して小なる事を怠り、出来難き事を憂いて出来易き事を努めず”ということになりやすいのです。何よりもまず、与えられた仕事を着実に行うこと、そして職員全員が“置かれたところで咲きなさい:Bloom where God hasplanted you.”という渡辺和子シスターの言葉を胸に、それぞれの職場で大輪の花を咲かせることが、次の40年へのスタートラインだと思っています。


生命だけは平等な社会へ 社会貢献を継続する使命もつ

篠崎伸明 医療法人徳洲会専務理事 湘南厚木病院院長

徳洲会は、ジェネラリストの医師育成を35年前より実践しています。これは、多くの研修医が屋根瓦方式によるスーパーローテーション研修を望み、また、徳洲会の「救急を断らない、離島僻地(へきち)の医療を支える」という方針を実行するために必要だったからです。

2004年から初期研修制度が義務化され、さらに後期研修医の離島僻地研修が開始。徳洲会では独自のプログラムとして、04年卒以降に採用された1400人以上の初期、後期研修医のほぼ全員がそれぞれ2カ月間と3カ月間、離島僻地で研修を受けています。

今年4月からは、佐野潔先生を中心として、榛原総合病院で家庭医プログラムが始まる予定です。多くの指導医が育成されることを期待します。さらに現在、国において専門医研修プログラムのマッチング制度も検討されており、徳洲会として後期研修プログラムの改善をさらに進めていく必要があります。

今年から文部科学省オーダーメイド医療実現化プロジェクトの第3期が開始されます。徳洲会は従来の疾患に加え、今回、がん患者さんの協力をいただき、ゲノム(全遺伝情報)採血を進めていきます。がんに関しては、21病院が今年1月から、6病院が4月から同プロジェクトを開始する予定です。

また、京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授からも協力依頼がきており、1月より打ち合わせが開始。

徳洲会は多くの臨床試験でさまざまな成果を上げおり、新薬の開発にも患者さんとともに協力しています。

徳洲会は創立から40年が経ちますます大きくなっていくなか、理念の実現のために基本になる医師教育の継続はもちろんのこと、臨床試験など多くのプロジェクトに組織として参加し、「生命(いのち)だけは平等」な社会の実現をめざし、社会貢献を継続する使命があります。


「正義の道理」に基づくより良い医療をめざす理念

東上震一 医療法人徳洲会専務理事 岸和田徳洲会病院院長

自由を求め、愛に生きる─。

これは徳田虎雄理事長の多くの言葉のなかで、私が一番好きな言葉です。何にもとらわれない自由な心で、病気に苦しむ人への愛に生きる。医療人として誠実に生きているかを自らに問いかける言葉でもあります。

40年前、“いつでも、どこでも、誰でもが、最善の医療が受けられる社会であるべきだ、そして生命だけは平等だ”という徳田理事長が唱える正義の下、徳洲会という医療改革の運動が始まりました。いまや徳洲会は国内最大の医療グループに成長し、その運動は国境を越え、ブルガリアとブラジルの病院、アジア・アフリカ地域への医療支援活動と世界中に広がっています。

明治期の思想家・教育者であった新渡戸(にとべ)稲造は、時代の急激な変革のなかで変節する日本人の心を想い、『武士道』を著しましたが、そのなかで人としてなすべきことを「正義の道理」と表現しました。また、これを希求し行うことこそ武士道の勇気であると述べています。理事長の生き方にはこの「武士道」に通底するものを感じます。つねに病気で苦しむ人、弱い人の側に立ち、より良い医療をめざす徳洲会の崇高な理念は、新渡戸のいう「正義の道理」に基づくものと理解できます。

私たちはこの理念の実現を、どこからの援助に頼ることもなく、自らの創意と工夫、努力で成し遂げなければなりません。グループを構成する私たちが、いかに誠実に医療に取り組むかが問われています。

患者さんの笑顔や、ベッドサイドで触れた患者さんの手の温もりに、いつも医療人であることを実感します。徳洲会グループの仲間、一人ひとりの苦労の総和が、世界の厚生省たらんとする壮大な夢の実現を約束するものであり、夢に向かう日々の努力、それこそが私たちの誇りなのです。


「真のチーム医療実践へ 「挑戦と進展」がキーワード

遊佐千鶴 医療法人徳洲会常務理事 徳洲会看護部統括

挑戦と進展─。これが徳洲会看護部の2013年度のテーマです。一昨年度は「挑戦と発見」、昨年度は「挑戦と進化」を掲げ、つねに新たなことに挑み続けてきました。人口構造や経済など、社会が変化するなかで、いままで以上に進化・発展していかなければならないと感じ、今年度は「進展」というテーマにしました。

医介連携をはじめ、施設連携、在宅など医療・介護の変化を表すキーワードは数多く挙げられていますが、いま徳洲会看護部に必要なのは「チーム医療」です。チーム医療とは、互いに専門性を尊重し、能力を最大限引き出し合うこと。そして、その本質は、患者さんの安心・安全です。

そのためには、それぞれが職種の役割を果たせる能力をきちんと身につけることが大切です。看護部では人材(財)育成に力を入れており、これまで特定看護師(仮称)、認定看護師の育成のほか、管理者の次世代研修やグループ認定(生活支援技術)など独自の教育システムを構築しました。さらに徳洲会グループが取り組んでいるがん看護なども計画的に実施し、ケアの向上に取り組んでいます。

高齢者介護に力を入れるのはもちろん、今年は新たに認知症ケア、「健康とより良く生きる」ということを支援・促進するための専門職〝セラピーワーカー〟の養成も始めたいと考えています。

その技術を提供する心は当然、己を知り「弱きを助け、悪しきをくじく」という人間の基本に基づく“愛”の精神です。

人生では、スポーツと同様に心・技・体が大切。愛に基づいた人生目標に向かいながら、厳しい条件で島民の健康を守っている離島の医療・介護に対しても組織的に支援していくために、チーム力を高める努力を徹底したいと思います。

今年も皆で一緒に頑張りましょう。


組織再生とさらなる進化 実現へ総点検が必須課題に

加藤俊昭 医療法人徳洲会常務理事 徳洲会大阪本部事務局長

明けましておめでとうございます。

今年は巳年、つまり蛇の年です。徳洲会グループは紆余曲折を経て巨大組織に成長・発展しました。創業40周年の節目を迎え感慨深いものがあります。

さて、今年は蛇にちなんで脱皮する年、また巳という字には「起こる」の意味があることから、“組織の再生とさらなる進化の年”であると考えます。

組織の再生とは、究極的には職員の仕事についての考え方や働く心得、生きがい、人としての心を再生することに等しいと思います。組織は大きくなるほど硬直化しがちです。組織は職員がやる気をもって、仕事に取り組めるよう配慮が必要です。

いまこそ総点検が必須の課題です。IT化による精度の高い各種データのエビデンス(根拠)に基づくベンチマーキングを生かした分析を行い、職員一人ひとりの業務内容や業務量に見合った、リーダーも含めた適正な人員配置が不可欠です。

そしてさらなる進化を遂げるには、患者さんにより良い医療・介護サービスを提供するため、設備や医療機器、システム費用などの投資に耐え得る目標の設定と業績拡大が必要です。これは未来へつなぐ私たちの使命です。

一方、組織力や経営基盤を強化するには、ガバナンス(統治)とコンプライアンス(法令遵守)が基本です。“生命だけは平等だ”の経営理念は職員全員の心の絆であり礎です。利他の精神を培い、厳しさや優しさを兼ね備えた愛情のある人間関係を築き、結束力を高めることが肝要です。また各種方針や諸規則を守り計画(目標)を達成するために日常業務を実施する強い意志と努力が求められます。

最後に、今年は“元気”な心、決断する“勇気”と実行する“やる気”、決して諦めず粘り強く続ける“根気”をモットーに掲げたいと思います。

皆で頑張りましょう。

一般社団法人徳洲会

102-0083 東京都千代田区麹町4-6-8 ダイニチ麹町ビル2階
TEL:03-3262-3133 FAX:03-5213-3602

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